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会社を失速させる社長の3原則

私の仕事は会社の経営再建なので、どうしても経営状況のよくない会社の代表者との面談、打ち合わせが多い。


そうして何年ものあいだに何十人、何百人という人数の社長に会ってくると会社をダメにしていく社長に一定の法則があることに気がついた。

その法則は一見して当たり前のことの様に感じるものばかりだが、それでも確信犯なのか気が付いていないのか、同様のことをして会社を窮地に追いこむ社長が後をたたない。


その法則の1つ目は「見栄っ張りであること」


会社の規模に見合わない立派なオフィスを構えて、内装インテリアはどこかのデザイン会社を入れて外資系っぽさを全面に押し出す。

社長の車はこれまた税理士に言われた「節税」を真に受けて、高級車を高利率のリース契約で手に入れる。

まだ立ち上げて2,3年で利益もおぼつかない会社なのに、である。

「社長であること」が最優先になって、先が見えなくなっている。

これでは経営がうまくいかないのは当然である。


2つ目の法則は「嘘つきであること」


会社の社長たるもの、ときには駆け引きも必要だし素直さが美徳だなどと私は全く考えていない。

むしろ、嘘もつきとおせるなら真実になると考えている。

ここで言う嘘つきとは、再生コンサルである私たちにニセ情報をだしてくる社長のことを言っている。

上記の見栄っ張りに関係するところもあろうかと思うが、かたむいた経営の立て直しを依頼している私たちに、ニセ情報を出してどうするつもりなのか。

このようにニセの経営状況を出してくる会社については、判明した時点で申し訳ないがサポートの継続をお断りすることにしている。


どんなに苦しい状況、隠したい状況があっても、本当のことを私たちには言ってほしい。

大概のことは解決できるし、どんなひどい状況でも経営者が苦しんだ末に選択した方法を、私たちは絶対にとやかく言わない。

むしろよくここまで耐えてこられたと思う。

だからこそ二人三脚で立て直していくのである。


3つめは「怠惰であること」


経営難の会社の社長というものは、馬車馬のように働いて初めて同業他社並みの業績をだせるかどうかである。

そのくらいかたむいた会社の立て直しというのは、経営者にとってしんどいことだ。


働くのがイヤなら、そもそも社長ではなく他の仕事をした方がいい。

にもかかわらず社長自身は簡単にうまくいく手段や、資金調達の事ばかり考えている。


もちろん資金調達も会社を立て直すための方法を考えることもとても大事なことだ。

しかし物事にはタイミングとやり方、そこに挑むための心がまえというものがある。

そこをふっ飛ばして一足飛びに簡単な手段に頼ろうとすることが、経営不振の会社をさらに不振に追いこむ。



あなたも以上の法則を読んで、「これでは事業がかたむいて当たり前だ」と思ったことだろう。

しかしこの一部、もしくはすべてに当てはまり会社を倒産させていった経営者を何人見てきただろうか。


会社を倒産させて路頭に迷う経営者の姿をこれ以上はもう見たくない。

自己資産を会社の経営に投下し、すべてを犠牲にしてきてそれでも敗残者として経営の土俵から去っていく姿を見るのは、本当に辛い。


どうかこの法則にすべて当てはまる前に、踏みとどまってほしいと心から私は願っている。

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